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浮世絵とは

浮世絵(うきよえ)とは、江戸時代に成立した絵画のジャンルのひとつ。大和絵の流れを汲み、総合的絵画様式としての文化的背景を保つ一方で、当代の風俗を描く風俗画でその題材は、美人画、役者絵、芝居絵、名所絵、春画といったものから多岐にわたる。現代において一般的には多色摺りの木版画錦絵のことを指すことが多いが、木版画の採用以前は量産できず、肉筆浮世絵しかなかった。はっきりした図柄と大胆な構図、影の表現を持たないこと等が表現上の特徴である。遠近法も取り入れられた。遠景の人物を逆に大きく描く北斎の「釣の名人」のように、意図的に遠近をずらされたものもある。また絵師による誇張や意図などを考慮する必要はあるが、描かれている風景や現在では変化・消失した名所、人々の生活や生業、文化などを伝える歴史資料としても活用されている。 肉筆画は一点ものであり、名のある絵師によるものは高価であった。これに対して木版画は、同じ絵柄のものを多く摺り上げることができ安価で、 当時の江戸時代の一般大衆もたやすく求められた。  

富嶽三十六景について


浮世絵の中で有名なものといえば、富嶽三十六景である。江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎の手による名所絵集の一つで、彼の代表作である。大判錦絵)、全46図。「富嶽」は富士山の別名である。 「神奈川沖浪裏」(かながわおきなみうら)は、葛飾北斎の名所浮世絵揃物『富嶽三十六景』全46図中の1図。現在は「神奈川沖波裏」とも表記する。大錦横判(横大判錦絵)。「凱風快晴」「山下白雨」と合わせて三大役物と呼ばれ同シリーズ中の傑作で、画業全体を通して見ても最も広く世界に知られている代表作である。さらに加えて、世界で知られる最も有名な日本美術作品の一つでもある。 凶暴なまでに高く激しく渦巻く波濤と、波に揉まれる3艘の舟、それらを目の前にしつつ、うねる波間から遥か彼方にある富士の山を垣間見るという、劇的な構図をとっている。一筋一筋の水の流れ、波濤のうねり、波に沿わせた舟の動き、富士山のなだらかな稜線といったものはすべて、幾重にも折り重なる対数螺旋の構成要素となっている。